コワイ話。

2016年8月16日火曜日

日常

t f B! P L
こんにちは。地域医療連携室の佐藤です。

夏、と言えば色々なものが思い浮かびますが、「怖い話」、というのも
代表的なものと言えるのではないでしょうか。

ちなみに、私自身は怖い話は大の苦手です。

テレビなどでそのような特集をしていたとしても決して見ることはあり
ませんし、体験したいとも思いません。

幸いなことに、怖い話に出てくるような体験はしたことがありませんので、
ぜひともこのままいきたいと思っているのですが、本日は季節感を出すと
いう意味で、あえて怖い話をしてみたいと思います。

ずばり、これからお伝えすることは当院の院内で起きた出来事です。

怖い話が苦手、あまり聞きたくない、という方はこれ以上先に読み進める
ことはおすすめいたしません。

それではいきたいと思います。

あれは、もう数か月前になるのですが、私は地域医療連携室のスタッフ
よりある相談を受けました。

それは、当院の1階にあるレントゲン室前に設置している無料送迎バス
の時刻表がどうやらいたずらされているらしい、というのです。

レントゲン室前と言いますと、季節感を醸し出す様々な飾り付けで院内
では有名な場所であり、これまでに何度もブログ内にてお伝えしており
ますので、ご存じの方も多いかと思います。

そちらの場所には、「当院のパンフレット」と「広報誌の最新号」、そして
「無料送迎バスの時刻表」という3種類をラックに入れて設置しており、
どなたでも自由に持ち帰ることができるようになっているのです。

その中の1つである無料送迎バスの時刻表に「折り目が付けられている」、
というのが最初の相談でした。

時刻表はA4サイズのものであり、自院で作成し印刷したものを縦置き
にしてラックに入れています。

相談を聞いた当初、私はそこまで大きな問題ではないと判断し、

「誰かが持って帰ろうと思って折ったけど、やめて戻したということも
あるだろうし、いたずらかどうかは別として新しいものを補充しておいて
ください」、と伝えました。

確か、その時はちょうど時刻表の枚数も残りわずかになっていたとのこと
でしたので、何枚かは無駄になってしまったものの、ちょうど新しいものを
追加しなければいけなかったし、少し様子を見てみよう、くらいに考えて
いたと記憶しています。

ところが、それから数日して、地域医療連携室のスタッフより再び報告を
受けたのです。

それは、「また時刻表に折り目がついています。新しくしたものも全部です」
というものでした。

さすがに私も、これはもしかしたらいたずらかもしれないな、と思い始めた
のですが、どうにも納得がいかない部分がありました。

レントゲン室前は常にスタッフや患者様などがよく通る廊下にあり、時刻表
もその場所にある以上、もしも誰かがおかしな行動をとっていたとすれば、
それはスタッフも気付きそうなものなのです。

しかしその近くで業務を行っているスタッフに聞いてみても、怪しい人物
の目撃情報はありませんし、小さな子どもなどがいたずらをしているよう
な場面を見た者もおりません。

これまでに院内でそのようないたずらをされたという例は、私が入職して
からは聞いたことがありませんし、当院に携わる方々でそのようなことを
する人がいるということも信じたくはありませんでした。

しかし、事実として時刻表に折り目をつけられているという事態が発生しています。

それ自体はそれほど大きなことではないのかもしれませんが、当院への
何らかのメッセージという可能性も否定できませんし、これが今後エスカ
レートしていっても困りますし、毎回新しい時刻表に差し替えるというのも
紙の無駄になってしまうのです。

そこで、私は地域医療連携室のスタッフと共に、少しレントゲン室前の
辺りに目を配ろうと思いました。

もちろんそこでずっと見張っているわけにはいきませんが、私もそちら
の廊下はよく通りますし、注意を払えばおかしなことにも気付きそうな
ものだからです。

大きな出来事に発展してしまう前に、と思い、その日以降は注意をして
見ていたのですが、特段おかしなことは何もありませんでした。

やはり一時的ないたずらだったのかな、そう思っていましたら、また
しても同様の報告を地域医療連携室のスタッフより受けたのです。

「また、全部の時刻表がやられています」

前回の差し替えからその日までは、数日であったと思います。

その後も、新しいものに差し替えた直後に再び折り目がつけられる、
ということがもう一度繰り返されたのです。

私は頭の中で色々なことを考えました。

ちょっと、ここまでくると悪質だな…、ですとか、

もしかすると夜間などスタッフの少ない時間に出入りしている方が
このようなことをしているというのだろうか…、ということや、

疑いたくはないけれど、まさかスタッフの犯行ということでは…、

などなど、いくつかのことが頭に浮かびながら、最後に、できれば
考えたくなかったあることも脳裏を過ったのです。

まさか、いわゆる心霊現象的な、おばけとか、幽霊とか、そういった
類に由来するものであったとしたらどうしよう、と。

現実的にはそのようなことはないはずだ、とは思うものの、今回の件に
関して言えば、どうにもこうにも不可解なことも多く、誰にも見られずに
時刻表に折り目をつけたり、どこか別の場所で折り目を付けたものを
再びそこに戻すということは難しいような気がします。

徹底的に監視をしているわけではありませんから、どこかに隙があり、
その瞬間を狙っているのだろう、そう思えばよいのですが、いやしかし、
と私の中での不安は膨らんでいったのです。

超常現象のようなものであったとしたらどうしようとは思いつつも、
いたずらだとすれば、これ以上続かないようにしっかり院内にも周知
して対策しなければ、本当に別のことにも発展してしまうかもしれない。

私はそう考えながら、再度新しい時刻表の設置をお願いし、設置された
直後の廊下を通りながら折り目のついていない時刻表を見つめつつ、
他部署のスタッフとの打ち合わせに向かいました。

そして、その十数分後、再びそちらの廊下を通って自部署に戻ろうと
した際、私は目を疑う光景を目にしたのです。

時刻表に、折り目が付けられていました…。

ほんの少し前までは、きれいな新しい時刻表が設置されていたのに、
そしてレントゲンの検査を待つ患者様や、入院中の患者様や、ご家族
やスタッフが頻繁に行き来している時間帯の廊下の中で、またしても
時刻表には折り目がついているのです。

私は、怖くなりました。

そして、怖いながらも時刻表のラックに近づき、そっと時刻表を手に取りました。

どうして…。何でだろう…。

不思議さと、そして怖さとが入り混じった思いで時刻表を見つめたの
ですが、よくよく見ると、折り目については私の想像とは違っていた
ことに気が付いたのです。

当初より、報告を受けていた私は折り目というのはかなりかっちりとした、
しっかり折ったものか、適当に角などを折ったものを想像しておりました。

ところが、いざ実物を見てみると、縦置きの時刻表にはかなりソフトな
折り目がつけられているのです。

正面から時刻表を見ると、ちょうど縦に上下の線が入るか入らないかの
ような格好で、緩やかな山ができています。

んん!?

私には、その折り目はどうにもいたずらや、持ち帰るために折ったと
いうものには見えませんでした。

何かを意図して、あえてソフトに折ってあるように思えたのです。

もちろん、その時点では怖い想像による可能性も完全には否定できません
でしたから、いくら日中で周囲にたくさんの人がいるとはいえ、おそるおそる
という気持ちもあったのですが、段々と私の中では「推理する」という気持ち
になってきました。

なぜ、このようなソフトな折り目をつけなければいけなかったのか、
どうして新しいものにする度にこのような折り目をつけたのか…。

あるいは、科学では証明できない何らかの力により、そうなってしまったものなのか…。

ラックに時刻表を入れたり、取り出したりを繰り返しながら、私は考えました。

すると、ある場面が私の頭の中に浮かんだのです。

それは、しっかりした硬めの用紙で作られているパンフレットと広報誌に対し、
通常のA4コピー用紙である時刻表だけが、いつもお辞儀をするように上半分
が前方へと倒れてきた状態でラックに収まっている、という場面でした。

私は、ハッと思い、折り目を伸ばし、時刻表を再びラックに戻しました。

すると、やはり頭に浮かんだシチュエーション通りに、時刻表は前方に
向かって倒れてきたのです。

そこに、放射線技師の主任がちょうどレントゲン室から出てきたものです
から、私は「最近、この時刻表を誰かが触っているのを見たことってあり
ますか?」と尋ねてみました。

すると、「ん?補充は連携室でやってくれてるよね。それは良く見るよ」と。

そして、「誰かここに折り目をつけてる人って見たことあります?」と
さらに聞いてみたところ、

「折り目?あぁ、これね。ほら、すぐにくた~って倒れちゃからさ、よく細工
してるんだよね」とまさに問題となっていた折り目を指さしたのでした。

あ~……、と私は口を半分開けたままになりまして、ほっとしたような、真犯人
を発見したという気持ちなような、複雑であったのですが、放射線技師の主任は
見栄えを考え、折り目を付けて倒れないように細工してくれていたのです。

その後、無料送迎バスの時刻表はクリアファイルに入れた上でラックに
設置し、二度とお辞儀状態とならないような措置が取られました。

もちろん、折り目は付けておりません。

今回の件に関し、佐藤的には反省点が3つあります。

一つは折り目が付いていると報告を受けた際に、そもそも実物を確認して
いなかったこと。

そのものを見ていれば、すぐにいたずらではないと気付いたかもしれません。

二つ目はレントゲン室の近くで業務を行うスタッフに調査した際、怪しい
人物の存在の有無だけではなく、折り目のことをしっかり伝え切れていな
かった上、全員に聞き取りをしていなかったということ。

三つ目は過去にくた~っとなっている時刻表を見ながら、すぐに対策を打って
いなかったということ。

放射線技師の主任も折る度にまた新しいものが追加されているので、その度
に減りが早いなと思いながら再度折り目をつけていたようなのですが、実は
このようなやり取りをそのままにしておくことこそが、大きなミスや失敗につな
がるのでは、とも思うのです。

今回はある意味笑い話で済みましたが、しっかりとした確認や、洞察を
怠ってはいけないなと切に感じております。

というわけで、恐怖という意味の「怖い話」というよりも、しっかりしなければ
いけないという警鐘のこわい話でした。

皆様、いくらかは涼しくなるお役に立てたでしょうか。

背筋が凍るような、とはいかなかったかと思いますが、多少でもお楽しみ
いただけましたら幸いです。

実は、私佐藤は先週に夏季休暇を数日いただき、帰省を行うなどして食べたり
飲んだりの日々を過ごしたのですが、今の私にとって一番のコワイ話は、通常
の生活に戻った今、『体重計に乗ること』、となっております。

皆様にも怖い話、ある意味コワイ話、などなど、様々な経験や聞いたお話し
などあるかと思いますが、最終的に笑えるというコワイ話以外は、決して佐藤
の耳に入らぬようご協力いただければと思います。

それでは。

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