先日、車を運転している際の信号待ちの間に、道路沿いのある飲食店の窓に貼られていた案内が目に入ってきました。
それは、
『ぜひ!ぼの味をご家庭で!お持ち帰りできます』
と、いうものだったのです。
コチラ、佐藤の打ち間違いではありません。
一般的には、「ぜひ!この味をご家庭で!」となりそうなものですが、あくまでも佐藤が目にしたものは「ぼの味」であったのです。
佐藤は、「ぼ、ぼの味とは、一体どんな味ことなのだろうか…」と、かなり興味深く、また大いに悩みました。
文章自体は、テイクアウトや宅配が多くなっている最近ではよく見る内容のものであり、何も不思議ではないのですが、どうにもこの「ぼの味」の意味がわかりません。
文章はかなり大きな用紙に印刷されておりまして、目立つものであり、そのお店はチェーン展開されていて全国にたくさんの店舗がある飲食店ですので、間違って作成されたという可能性は低いように思えました。
しかしながら、「ぼの味」は「ぼの味」でして、決して「この味」ではないのです。
もしも、もしものもしも、「この」を「ぼの」として表現することが正しいのだとすれば、色々な言葉や会話文が頭の中には浮かんできます。
たとえば、
「あぁ…!やっぱりここ手稲金山は空気がおいしいなぁ。それに、ぼの景色も最高!」とか、
「炭の匂いは食欲がでますね~。ぼの香りはたまりませんよ!」だとか、
「いや~、これは素晴らしい本マグロですね!見てください、ぼの色!ぼの脂!そしてぼの大きさ!」だったり、
怒って声を荒げている方なんかも、「この野郎!」ではなく「ぼの野郎!」と言うのであればどこかほのぼのした雰囲気さえ漂いますし、
「この先行き止まり」が「ぼの先行き止まり」になったり、
「きのこの山」は「きのぼの山」となるでしょうし、
「生たこの握り」は「生たぼの握り」となり、
「生たこの炙り」は「生たぼの炙り」となって、
「生たこのお造り」は「生たぼのお造り」となるわけでして、
まぁ、後半は佐藤が今食べたいものが自然と文章となり滲み出てきてしまったわけですが、とにかくたくさんのケースにおいて「この」が「ぼの」になったとしたらよくわからないことになってしまうのです。
実際のところ、そのような表現が一般的かと言えば当然そうではないわけですから、思ったことをただ書いてきましたが、佐藤としましても、「ぼの味」という案内は何らかの間違いか、その他の意味合いになるであろうことはうっすらと、ほんのりと気付きながら、はてなんだろうなぁと考えて数日を過ごしておりました。
そして、その後のある日、佐藤はまた同じ場所で信号待ちとなり、あらためて、
『ぜひ!ぼの味をご家庭で!お持ち帰りできます』
と、大きな用紙に印刷された案内を目にする機会があり、じっくり観察してみたところ、あることに気が付いたのです。
それは、「ぼの味」と書かれている辺りだけ、文字と文字の間隔がやけに離れているということでした。
案内文は飲食店の窓に貼られていたことから、窓枠がある関係上、そもそもがそれぞれの文字間隔が均等ではなかったのですが、特に、「ぜひ!」の「!」の部分と「ぼの味」の「ぼ」の部分の間にはかなりの隙間があり、また、「ぼの味」の「ぼ」と「の」の間にも微妙な空間があるのです。
つまり、実際に見た文章としましては、
『ぜひ! ぼ の味をご家庭で!お持ち帰りできます』
と、いう感じであり、よくよく見るとやはりこの隙間がかなり気になってきまして、佐藤の頭の中では、
『ぜひ!○ぼ○の味をご家庭で!お持ち帰りできます』
と、変換され、「これは、もしかすると○の部分に何かがあったのではないか?」との推測に至ったのでした。
すると、その瞬間です。
「ぼの味」の案内を貼っていた店名がパッと頭に浮かんできまして、そこで全てがつながり、スッキリといたしました。
そうです、やはり○の中にはある文字が入り、それで通常の案内文となるのです。
ここではあえてストレートには解答を記しませんが、ヒントとしましては、最初の○の中には平仮名が、次の○には漢数字が入ります。
そうしますと、琴似で創業されたある居酒屋さんの名前になるのです。
あぁ、なるほど、と佐藤は思いました。
それであれば「ぼの味」ではなく、「お店の味を」との表現になるため納得です。
おそらく、何らかの影響で貼り紙の2枚が落ちてしまったと思われます。
ここしばらくはずっと外でお酒を飲むという機会は全くないですし、それでなくとも、そのお店に行ったのはもう何年も前のことになるのですが、それでも佐藤としましては昔から馴染みのある居酒屋さんでありますので、さてどうしようかと思いました。
つまり、「ぼの味」の件をお店の方にお伝えするかどうかです。
目立つ場所にある貼り紙ですから、お伝えするのが親切かなとは思いますが、いきなりお店に入って、またはお電話をして、「あの~、ぼの味になってますよ」と言うのもいかがなものかと思いますし、そもそもそれだけのために訪問するというのも微妙ではあります。
かと言って、それをお伝えするということを口実としてお店で飲食を楽しむというのも、やはりいかがなものかというところですので、色々と考えた結果、本日に至るまでお店の方には何も直接的なアクションはできておりません。
かなり可能性としては低いとは思いますが、もしもそのお店の関係者の方がこのブログを閲覧してくださっていて気付いていただければ一番良いのですが、どうでしょうか。
皆様におかれましては、ぜひ、今回のこのブログを読み、このお店が何なのかを想像していただきまして、わかった場合もわからなかった場合も佐藤にご一報をいただき、その上で、訪問する機会がありましたら「ぼの味」の件をお店の方にお伝えいただけますと幸いです。
こうして文章を書いてきますと何だか「ぼの味」が段々と好きになってきまして、もしも「ぼの味」という味が存在していたとしたら一体どのような味になるのかという想像もしてみたいところではありますが、本日はこの辺りでやめておきたいと思います。
「ぼの味」に関する妄想、いえ、想像ブログを読んでみたいという方がもしもいらっしゃいましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
また、実は本当に「ぼの味」という味があるという情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、こちらもぜひ教えていただければと思います。
好きです!ぼの味。
それでは。