この季節は、落ち葉がすごいですね。
当院の敷地内もそうですし、通勤中にも紅葉が大量に地面に落ちている光景を目にします。
黄色や赤、オレンジの絨毯が鮮やかでとてもきれいに見えることもありますし、落ち葉が風に舞った際には、その瞬間がとても絵になる風景となる場合もあるのです。
ただ、困ったこともあります。
それは、佐藤の自宅の庭に集まる落ち葉です。
落ち葉と言いますか、ほとんどが枯れ葉でしたが、何ともまだらにあちらこちらにたくさん散らばっておりまして、美しさはまるでないですし、そればかりか、ビニール袋や白菜の種が入っていたと思われる小袋など、つまりはゴミすらも大集合しておりました。
普通に考えれば、どなたかが佐藤の自宅の庭にそれらをあえてまいていったなどはあり得ないわけでして、どこからともなく風に乗って飛んできたということなのだと思います。
佐藤は、庭やその他自宅の周囲で育った草達、通称「ボーボー」を雪が降り始める前にきれいにしなければと思っていたものの、それを実際にいつ行うか、寒さと面倒な気持ちと誰かがむしってくれないかなという淡い期待との間で、揺れておりました。
にもかかわらず、ボーボーにプラスして枯れ葉とゴミですから、佐藤、がっかりと言いますか、がっくりと申しましょうか、がっつり残念とでも表現すればよいのか、とにかく、まぁ、
週末の仕事が増えたな!
と、強く感じていたのです。
さて、そのような中、つい先日にはここ札幌でかなりの雨が降りまして、さらには強い風も吹いておりました。
佐藤の自宅周辺でも相当な強風となっておりまして、それはもうすごいビュービュー具合であり、ふと夜中に目覚めた際には、これはあまりにひどい風の音だなと気になってしまい、再度眠るのに時間を要したほどだったのです。
これまでも、強風が吹き荒れた日の翌朝というのは、出勤時のルートに木の枝がたくさん転がっていたり、収集前の大きなゴミ袋が道路に飛んできていたり、予期せぬ物達が出現することが多々ありましたので、それらには十分に注意しなければなりません。
朝、目覚めた佐藤は、気をつけて運転をしなければいけないなと思いつつも、やはりとにかく心配であったのは自宅の庭のことでした。
たくさんの落ち葉や小さなゴミだけでなく、大物が侵入してきていたとしたら、それはもう本当に困ってしまいます。
実際に、佐藤の自宅のすぐ近くでは、どこからやってきたのかわからない丸太のようなものや、大きな鉄板や、ゴミでパンパンに膨らんだ袋などが道路上に転がっていたことがあるのです。
佐藤は、深夜の強風の音を思い出しながら、そ~っと、カーテンの隙間から庭を見てみました。
すると…、
そうです…、
そうなんです、
なんと、
なんとなんと、
大変驚いたことに、
庭が…、
めちゃくちゃきれいになっていたのです!
佐藤の第一声としましては、「えっ?えっ?誰か掃除した!?」でした。
それほどまでにきれいに、あっちもこっちもきれいさっぱりと、枯れ葉もビニール袋も白菜の種が入っていたと思われる小袋も、全てがなくなっていたのです。
若干睡眠の妨げとなった深夜の強風は、新たな大物を運んでくるどころか、全てをきれいに片づけてくれました。
正直なところ、佐藤の心の叫びとしましては「ラッキー!」となっております。
一方で、佐藤自身で散らかしたゴミや枯れ葉ではないとはいえ、どこかの誰かのお宅に飛んでいったのだとすれば、それはそれで複雑な気持ちではあるのです。
ただ、やはり率直に素直にお伝えするとすれば、強風でもっと色々なものが飛んでくることを覚悟した上でのきれいさっぱりですから、嬉しさはかなりあります。
季節的にはまだ枯れ葉は集まってきそうですし、立地面を考えてもゴミなどが飛んでくることを完全に避けるというのはどうにも難しそうです。
今回とは逆で、今度は強風の後にもっさりと庭に色々なものがたまっていたという可能性も、ないわけではありません。
どちらにしましても、佐藤、自宅の庭に枯れ葉やゴミが飛んできて留まること、さらにはそれらが再びどこかへ移動するシーンは、よく見ておく必要があるなと感じているところです。
雪などは特に、周辺の建物や木や電柱などの影響でなぜか特定の場所にだけ吹き溜まることもありますので、自宅の庭と近隣における風の流れなどもしっかりと把握し、観察し、分析して、これからの生活の様々な部分において活用できればと考えております。
今後は頻繁に自宅内の窓際で腕組みをしてじっと外の様子を観察したり、実際に庭に出て少量の草をむしってさっと上空に投げ風の流れを確認したり、ちょいと指をなめてから人差し指を立てて風向きと強さを感じたり、そのようなことをしている佐藤がいるかもしれません。
そのほとんどの場合において、佐藤はいわゆる家着である可能性が高いことから、直前に何かをこぼした跡があったり、若干糸が飛び出ていたり、全く似合っていないキャラクター物の服であったりするかもしれませんので、皆様が万が一見かけた際には、そっと目をそらしていただけますと幸いです。
なお、枯れ葉とゴミはきれいになりましたが、当然のことながらボーボーはボーボーのままであり、強風で吹き飛ぶことはありませんでした。
今朝もまだまだ力強い緑色を保ち、元気にボーボーしております。
風にしても、ボーボーにしても、どんなことであれ自然の力は本当にすごいものです。
自然のパワーには感心するばかりですが、ボーボーはしっかりむしります。
それでは。