ある夏休みの思ひ出。

2014年8月1日金曜日

日常

t f B! P L
こんにちは。地域医療連携室の佐藤です。

本日より8月がスタートしました。

学生のみなさんにとっては夏休み真っ只中かと思います。

夏休みと言えばその時々で様々な思い出があるのですが、
ふと、キャンプに行ったある夏のことが頭に浮かんでまいり
ました。

あれは、私がまだ高校生であった時のことです。

同級生同士、とある湖のほとりでキャンプをしようということ
になりました。

地元からその湖までの距離は約100キロ。

当時は当然ながら車の運転はできませんので、全員自転車
での移動です。

それもマウンテンバイクやスポーツタイプの自転車ではなく、
いわゆる「ママチャリ」にテントや寝袋などをくくりつけて、
荷物を入れたリュックを背負って100キロ先の目的地を
目指しました。

当時は全員が毎日部活で汗を流しておりましたので、かなり
体力には自信があったのですが、猛暑と坂道の連続、荷物
の重さも加わってそれぞれが口々に「キツイ、暑い」と言い
ながら自転車をこいでいたのを覚えています。

しかも、中間地点まできた頃にふと後ろを振り向くと、友人が
路地から出てきた車にひかれて倒れておりました。

幸い怪我はなかったものの、自転車のタイヤはぐにゃりと曲が
ってしまっており、それ以上走ることはできそうにありません。

この旅もここまでか。全員がそう思いました。

しかし、車を運転していた方がとても誠意ある対応をしてくださり、
友人を念のため病院に連れて行った後で自転車を修理に出し、
目的地まで送り届けていただけることに。

足を止めてしまったので、と私達はその方から昼食をごちそうに
なり、その後は友人と壊れた自転車を残して再びペダルをこぎ
始めました。

自宅を出たのは早朝だったのですが、目的地である湖に
着いたのはすでに夕方。疲労感たっぷりでの到着でした。

ほどなくして、友人と修理が完了した自転車が到着したのです
が、迷惑をかけたお詫びにということで、運転手の方は飲み物
や食材までも差し入れてくださったのです。

その夜、私達は炭をおこしてバーベキューをしておりました。

すると、友人の一人が湖の中にエビがいることを発見したのです。

自分達で持参した分といただいた分、食材は数多くありました。
にもかかわらず、なぜか全員テンションが上がり、手づかみや
ペットボトルを使ったトラップで捕獲し、鉄板で炒めて食べました。

食用であったのかそうではないのか、未だにわかりません。

ただ、確かにエビの味がしたということと、これはサバイバルだなぁ
と思ったことは覚えています。

深夜まで盛り上がった私達ですが、途中で雨が降り出し、次第
にその降り方は激しいものになってきました。

どうやら台風が近づいていたようなのです。

そんなことはあまり考えず、何とかなるであろうという気持ちで
計画し、ここまで来てしまった私達。

豪雨の中、外に出たままというわけにもいかず、ついには全員
がテントの中に避難したのです。

翌朝、雨はかなり弱まっていました。

とは言え、あまりに激しい降り方であったため、多少の水がテント
の中に入ってきています。

私は他の仲間と数人でテントにいたのですが、ある友人は一人
用のテントで寝ていました。

そして、そのテントの防水性が心配だと、その友人は言っており
ました。

心配になった私達は、一人用のテントで寝ている友人の様子を
うかがうべく、そっと入口のチャックを開けてみたのです。

すると、友人の身体は半分位が水に浸っており、高めの枕の
おかげでおぼれてはおりませんでしたが、テントの中にはポテト
チップスやら空き缶やらがぷかぷかと浮いておりました。

そのような状況でもなお、ぐっすりと寝ている友人に驚いたものです。

その後はまた雨が激しく降り出し、さらには風も強く吹く中、水中
メガネを着用しながらママチャリをこぎ、再び100キロの道のりを
通って家路に着きました。

今思えば、大変だったけれども良き思い出であり、よい経験で
あったなと思います。

もう一度同じ体験をしたいかと問われれば、首を横に振るかと
は思いますが…。

ただ、何とも言えない思いがあることも事実なのです。

なぜなら、今であればよく確かめもせず湖のエビを食べることは
ないですし、天気予報をよく見ずにキャンプを実行することもない
でしょうし、そもそも100キロ先の目的地までママチャリで行こうと
はまず考えないと思います。

何より、当時汗だくで坂道を上りながら「車って速いよなぁ」と
眺めていたその車を、現在では当たり前に自分が運転して、
坂道も雨も関係なく遠くまで出かけているのです。

そういったことを考えると、あれはあの頃の、あの年のあの夏で
しか体験できない大変さや楽しさであったのだなと思えてきて、
少し切なくもあります。

万が一、同じメンバー同じ状況であの旅を再現したとしても、
本当の意味で当時と同じ気持ちにはなれないと思いますので。

そんなわけで、日々の目の前に起きている一つ一つのことを
全力で取り組み、そして楽しむことが大切かなと感じております。

きっとその繰り返しこそが、将来の自分が今の自分を振り返った
時に、当時は良い経験をしていたな、と思えることにもつながる
のではないでしょうか。

今夏休みを過ごしている皆さんには、ぜひ日々を楽しんでいた
だきたいですし、私も長期の休みとはなりませんが、今年の夏を
今の自分なりに満喫したいと思います。

はしゃいでいる佐藤をどこかで見かけましたら、そっと見守って
いただけますと幸いです。

それでは。

ヘッダーリンク:順番変えない

検索

アーカイブ

過去の投稿

QooQ