いきなりですが、先週、私佐藤は当院に入職してからちょうど10年が経ちました。
10年…。
10年です。
う~ん…。
は、早っ!!
今、記しました一言が、入職10年を迎えた佐藤の率直な感想です。
本当に正直なところ、全く実感がありません。
これから10年先、と言われれば、「うわぁ、ずいぶんとまた先のことだなぁ…」と感じることと思います。
しかしながら、佐藤はそのように感じる年月を、当院のスタッフとして過ごしてきたのです。
もうそんなにも長い時間が経過したんだなぁ、という思いばかりでおります。
佐藤は、全くの異業種より当院に入職いたしました。
医療のことは何も知らなかったですし、学生時代も法学部でしたので、病院や地域医療連携室や医事課に関することなどは少しも学んだことがありません。
そのような中で縁があり、当院の地域医療連携室を新たに立ち上げる際のスタッフとして入職したのが今から10年前、2010年の12月のことでした。
入職当初はもちろんですし、その後もそうなのですが、心のどこかでは「自分は医療のことは何もわからないからな…」という思いがあり、つまりは、「自分はまだまだ素人だからもっともっとがんばらないといけない」という気持ちが強くあったのです。
ところが、それからもう10年です。
院内のスタッフはもちろん、連携機関の皆様を始め、日頃よりお世話になっている皆様の中には、10年どころか20年や30年という医療界でのキャリアを持っている方々がたくさんいらっしゃいますので、そのような皆様からすれば、佐藤はまだまだ若輩者と言えます。
しかし、しかしながら、経験年数が10年となれば、それはもう当然ながら素人や新人とは言えないわけでして、むしろ一般的にはベテランの域に突入しているのです。
ベテラン…。
この佐藤が…。
う~ん、ピンとこない…。
と、いうのがやはり素直な思いであり、どうにもしっくりきません。
ただ、これまでのことを振り返ってみましたら、実に色々なことが思い出されます。
佐藤が地域医療連携室の専属スタッフとして配置され、この部署を立ち上げた時は、たった1人で活動しておりました。
同室に医療相談室のMSWがおりましたので、そのスタッフ達からは多くのことを教えてもらい、たくさん協力してもらいましたが、地域医療連携室としての活動は基本的に1人で行っていたのです。
その後スタッフが1人増え、さらに1名が入職と増えていき、気付けば、今では専属スタッフが3名、兼務のスタッフが1名、そして佐藤と、実質的には最大5名で活動可能な部署となっております。
佐藤が1人で活動していた頃、ここ手稲区内においても、当院の診療機能や体制が周囲に十分に周知されていたかと言えば、そうではない状況でした。
お隣にある西区や石狩市、小樽市などの医療機関を訪問させていただくと、当院の名称こそ知っていても、その詳細はご存知でない方も多く、患者様のご紹介など医療連携においても限定的なものだったのです。
中央区よりさらに離れた市内各区や、他の市町村の医療機関を訪問させていただいた際には、当院の機能どころか名前すら知らないという方々がたくさんいらっしゃいました。
それが、今では大変ありがたいことに、市内全域や近郊市町村を含む医療関係者の皆様においては「当院=リハビリテーション病院」と認識してくださっている方々が大変多くなったと感じているのです。
佐藤の入職当時は、当院にあった回復期リハビリテーション病棟は30床でした。
その後46床に増え、さらに80床へと増床し、そしてついには今年115床となりまして、市内でも有数の病床数となったのです。
そのような中、北海道内全域の様々な医療機関の皆様のもとを訪問させていただいたり、強固な医療連携体制を構築していくことで、回復期リハビリテーション病棟へのご紹介数は佐藤の入職当時と比べ約4倍ほどにまで増えました。
様々な活動を続けていく中でご縁があったことからお声かけをいただき、今では、
ICTを活用した医療連携の会であり先日全国研究会を主催した「TMNIT in Hokkaido(ID-Link)」の事務局担当や、
地域での医療連携の会議である「地域病床連携会議」の事務局、
医療と介護、そして福祉の関係者の皆様と顔の見える連携を構築する「地域連携ていねっと」の幹事、
などを務めさせていただいております。
またこれらの活動を通じて、自身が講師となって講演をするなど、多くの皆様の前でお話をさせていただく機会が増えたことは大きな成長にもつながりました。
どの会のどの役割もが大変責任がありますし、それぞれに影響力のある会ですから、運営の一員として携わらせていただいていること自体が大変勉強になることも多く、本当に良い経験です。
地域の皆様への貢献活動は、地域医療連携室立ち上げ前から毎年恒例の健康祭は行っていたものの、その参加人数は少なく、住民の方々との本当の意味での信頼関係は築かれていなかったように入職当時は感じました。
佐藤は、老人クラブの会長さんや、町内会の会長さん、連合町内会の会長さん、そしてまちづくりセンターさんや、福祉のまち推進センターさんや、老人福祉センターさんのもとを何度も訪問し、当院でお力になれること、ご協力できることはないかとお話しさせていただいたことを今でも鮮明に覚えております。
その後、少しずつではありますが、当院の医師による医療講演会やリハビリスタッフによる体操教室を地域にて開催させていただく機会が増えていき、住民の皆様からも認めていただけるようになりました。
今年こそこの状況下でほとんどが開催できなかったものの、最も多い年では年間で約170回ほどの地域貢献活動の実施や地域行事への参加が可能なまでになったのです。
2日に1回ほどは手稲区内のどこかにおいて、何らかの形で当院のスタッフが地域の皆様と関わりを持ったり、体操教室などを開催しているという計算になりますので、これは冷静に考えるとすごいことだなぁと素直に思います。
先ほどご紹介した健康祭においても、10年前と近年とでは参加される方の人数は約3倍に増えておりました。
多くの地域貢献活動を行う中で、地域のまちづくりを担う会である、「稲穂金山活性化推進委員会」への入会を打診していただき、佐藤は当院を代表して同会の福祉高齢者支援部として加盟させていただいております。
この会が主催する健康づくり事業への協力や定期総会への参加の他、札幌市の新入職員向け研修会の講師を地域医療連携室のスタッフが務めさせていただいたり、もちつき大会や文化祭への参加、近隣小学校や中学校での出前授業、そして毎年の新年会への参加など、本当に様々な角度から多くの住民の皆様と触れ合うことができている現在なのです。
地域の皆様が当院の外来を受診してくださったり、場合によってはご入院されることもありますし、身近な方が入院する必要があるとのことでご連絡いただくこともあれば、医療とは直接的には関係のない分野においてもご相談をお受けすることもあります。
地域の皆様とお会いする度に、佐藤を見かける度にお声かけいただき、感謝のお言葉も多数いただけることからも、今では当院を地域の一員として認めてくださっているということを多くの場面で実感するのです。
院内における佐藤という部分に目を向けますと、2010年12月に入職後、2012年の5月にこちらのブログを立ち上げました。
その後、2012年の8月に主任職を務めさせていただくこととなり、2015年10月には地域医療連携室、医事課、病歴管理室の責任者となりまして、2016年4月には係長職という重責を担うこととなり、最初は1名であった部下も今では19名となったのです。
勤怠管理であったり、業績評価であったり、スタッフ達との面談やミーティングを行いながら課題を解決していく中で学べたことは非常にたくさんあったと感じております。
また、この間、東京ビッグサイトで開催された学会にて発表を行い、優秀演題賞を受賞できたことは自身のこれまでの活動を認めていただけたようで本当に嬉しいことでした。
同じ学会にて同日に座長も務めさせていただくこととなり、自分の発表後にすぐにフロアを移動して座長という、わたわたと緊張とドキドキとやり切った感が絶妙に入り混じった学会参加は良い経験になったと感じております。
グループ内で開催される認定試験へのチャレンジでは、合格率2.4%と超難関ではありましたが、全集中で鬼のように勉強し、無事に全体3位という成績で上級試験に合格することができました。
大変驚いた出来事としては、ブログをご覧になったNHK様よりご連絡をいただき佐藤初のテレビ出演となったことが特に記憶に残っており、撮影の裏側も含め本当に貴重な体験でしたし、楽しかったです。
また、出演とはならなかったものの、全国放送されているテレビ番組スタッフの方からも同じくブログを見たとのお電話があり、今でも活躍されている芸能人の方が行う実験に対して解説をお願いしたいとのお話しがあったのはかなりびっくりしました。
そして、こちらのブログ、なんとなんと、本日で900回の記事掲載達成となります。
900回とは、これもまた佐藤自身が一番びっくりです。
やる気になれば、こんなにもブログを、文章を書き続けられるんだなぁ、と何とものんきにこの数字を眺めております。
こうなりますと、いよいよ1000個の記事達成も近くなってまいりました。
今回は900回という記念の回そのものについては特段イベントなどは用意しておりませんが、順調にいけば来年中には達成されるであろう1000回記念の際には何らかの行事の開催か、この回数に見合った内容のブログにしなければと考えております。
思いっきり、ハードルを上げました…。
でも、いいのです。
そうそう1000回記念はこないかと思いますので。
その日まで、そして記念イベントも含めてがんばります。
さて、長くなってしまいましたが、佐藤自身の記憶の整理や振り返りも含めて、これまでの10年を綴ってみました。
細かな点なども含めれば、まだまだ記したいこともたくさんありますし、今すぐに思い出せないだけでよくよく考えればもっと多くのエピソードも出てきそうです。
ブログ内でお伝えするという点からも、これ以上に書くことはやめておきますが、とにかく、何よりも、一番頭の中に浮かんできて心に強く思っていることがあります。
それは、
『携わらせていただいた皆様、本当にありがとうございます!!!!』
と、いうことであり、
『皆様のご協力があって、この10年を過ごすことができました!!!!』
と、いうことです。
あらためて、この場を借りてお礼申し上げます。
連携機関の皆様、地域住民の皆様、業者の皆様、院内のスタッフ、イムスグループの皆様、全ての皆様に、心より、全力で、ありがとうございます!!!!
何もわからない、何もない佐藤がこのようにいくらかの実績を積み上げ、医療連携の構築に僅かながら関わることができたり、地域の皆様との信頼関係を築くことができたのは、ご協力してくださった皆様がいたからこそです。
皆様のお力添えと、励ましと、時に笑いや楽しみがあって今の佐藤がおります。
そして、こちらのブログが900回を達成したのもまた、読んでくださる皆様とご協力いただける皆様がいたからです。
ブログの閲覧、本当にありがとうございます!!!!
今、このような社会情勢の中で入職から10年とブログ更新900回を迎えて素直に思うことは、人と人とのつながりは大切だな、ということです。
真摯に、真剣に、時におもしろおかしく、正直に周囲の方々と向き合い、自分にできることを全力で実行し、信頼関係を築いていく、これが何よりも大きな財産となり、助けになるのだとこの10年間で特に実感いたしました。
地域医療連携室立ち上げ時より、信頼関係の構築や相手の方への配慮は佐藤ができる範囲にて最大限に大切にしてまいりましたが、自分自身が思うところといたしましては、これは正しかったな、と感じております。
まだ10年なのか、もう10年なのか、すでに900回と言うべきか、それともまだまだ900回でしかないのか、その答えは今の佐藤にはわかりません。
ただ、これからも、信念を貫き、今までに培ってきたものをさらに進化させて、携わらせていただく皆様との信頼関係を第一にして活動していきたいと考えております。
10年間という時間を過ごしてきますと、時に、佐藤を褒めてくださる方がいらっしゃるのですが、これは、「自称褒められて伸びるタイプ」であり、「褒められ上手」の佐藤としては本当に嬉しいです。
事実、褒められることでもう一歩どころか三歩ほど前進できたケースもあります。
ただ、しかしながら、褒められたことに満足して成長が止まってはいけないと思いますし、本当にそれがゴールがどうかはしっかり考えなければいけないと思っているのです。
佐藤の個人的見解ですが、一番こわいことは、実はできていないのにできたつもりになっていること、だと思います。
やれていないのにすっかりやれている気になってその次に進む、これは気を付けなければいけません。
何かを成し遂げること、ものにすることというのは、そう簡単ではないと思うのです。
土台がしっかりしていないところに育つ木は、一見して立派な大木のように見えても、実はいつ崩れてもおかしくないのだと思います。
そのような木になる実もまた、素晴らしいものとはかけ離れていると考えているのです。
よって、佐藤は皆様のからのお褒めの言葉や成果には素直に喜び、時には密かに僅かながら天狗になってみたいと思いますが、それはあくまでも一時的なものとして冷静になり、自らの足元をよく見つめ、基礎を固めながらさらなるステップアップを目指していきたいと思います。
もちろん、基盤を固めつつも、チャレンジする姿勢は忘れません。
と、言うよりも、チャレンジは積極的にします。
自身の活動も、このブログもです。
チャレンジして足元を固め、一段上ってチャレンジし、足場を固めてまたチャレンジし、そこからまた一段上ってさらなるチャレンジと、その繰り返しでまだまだ成長していければと考えております。
これからの10年、さらにはその先とどうなっていくのかはもちろんわかりませんが、佐藤は佐藤らしく、自然にありのままにがんばって前に進んでまいりますので、どうか皆様、これからもお力添えいただけますと大変幸いです。
こちらのブログもまだまだ続いていきますので、ぜひお付き合いください。
佐藤の入職から10年、そしてブログ900回達成に関しての記念品やお祝いの差し入れなどを検討している心優しい方々が万が一いらっしゃいましたら、それがクリスマス的なものであっても、年末年始的な何かでも、佐藤の大好きなあれやこれやでも、年末ジャンボ宝くじ1枚であっても、ガンバレの一言でも、どんなものでも気持ちでも大歓迎です。
これからも佐藤、そしてこちらのブログをどうぞよろしくお願いいたします。
それでは。