先日、佐藤は業務終了後に自宅に向かって運転をしておりました。
路面に雪はなく良好なコンディションでありましたが、日が短くなっているということもあり、すっかり暗くなっている中での帰り道のことです。
自宅がかなり近くなったところの交差点で一時停止があり、佐藤は車をストップさせました。
佐藤が進みたい方向はそのまま直進であり、目の前にある左右それぞれに延びている道は交通量もそれなりにある片側一車線の道路です。
佐藤は今年の引越し後、日々そちらの道を利用しており、かなり慣れ親しんだ道路になってきたとの認識でおりました。
佐藤と同じ道を走り同じ方向に向かおうとする車もそれなりにいますし、佐藤と同じ道で一時停止をした後に右折や左折をし、交通量の多い道路に合流していくという車はかなり多くいます。
よって、通勤や帰宅など朝晩のラッシュ時間になりますと、その交差点では一時停止でストップしている車が数台連なっていることがよくあるのです。
その日、その交差点の一時停止では、佐藤の目の前に1台の車がおりました。
いつものように佐藤が直進を予定していたのに対し、その車は右ウインカーを出しておりまして、交通量のある道路に右折で合流しようとしていたのです。
それ自体は何もおかしなところはなく、佐藤は普段同様、自分が進めるようになるまでただ待っておりました。
自宅もすぐそこという安心感や1日の業務が終わった後の安堵感があり、そのような中で本日の夕食や明日の予定や、その他諸々などをなんとなく考えながら、自分が直進できるまで停止していたのです。
すると、目の前にいた車が動き出しまして、ウインカーの通りに右の方向へと走り出したものですから、佐藤は、次は自分が交差点を直進するために最前列で待つ番だな、とブレーキから足を離した、その瞬間でした。
「えっ…!?」
と、思わず声が出てしまったその直後です。
バーン!!
と、激しい衝突音が鳴り響きました。
佐藤の目の前にいた車が右折したところに、左側から直進してきた車が激突したのです。
右折した車は衝突の衝撃で弾き飛ばされてしまいました。
左側から直進してきた車はバランスを崩し、歩道に乗り上げてしまいました。
そして、車のバンパーの一部やホイールや、その他の部品が激しく飛び散り、双方の車からは白煙が出ている状況となったのです。
頭も身体も完全にオフモードになりかけていた佐藤は、一気に目が覚めました。
目の前にいた車が動き出した時、佐藤は思わず声が出てしまったのですが、それは左側からやってくる車のライトが完全に確認できたからです。
一瞬の出来事でしたが、佐藤は心の中で「えっ、このタイミングで行くの!?」「う、右折だよね!?」と感じたほど、明らかに車がやって来ているタイミングで目の前の車は右に曲がり始めたのでした。
その交差点の交通量の多い道路側には押しボタン式の信号があるのですが、事故の瞬間はその信号機が青だったのか、赤だったのか、それは佐藤も覚えておりません。
ですが、おそらくは、間近で見ていた者の感覚としては、佐藤の目の前にいた車が確認をしっかりせずに右折をしたことが事故の原因ではないかと考えております。
佐藤、恐ろしくなりました。
一瞬、衝突した車が、こちらに弾き飛ばされてくるのではないかと思ったからです。
結果的には佐藤の車は全くの無傷で無事でありましたが、タイミングや、ぶつかる角度や佐藤の車の動きによってはどうなっていたかわかりません。
これまでには、目の前で車が追突したシーンや、春先の雪が残るべしゃべしゃ路面で佐藤の車を無理に追い越してきた車がカーブでクルクル回転してバス停に突っ込んだ場面などは見てきましたが、ここまで激しい事故を目の前で目撃したことはありませんでした。
それらの事故も、そして今回においても、搭乗者の方々は大きな怪我がなく無事なようでしたのでほっとしましたが、道路上に飛び散っていた車の部品やぐにゃりと曲がってしまったタイヤなどを見ると、いかに車が危険なものであるのかがよくわかります。
自分自身だけではなく、相手の方がいたり、場合によっては歩行者などもいるわけですので、本当に事故には気を付けなければいけないなと強く感じました。
交差点では事故の直後から大渋滞となりましたが、幸いなことに、佐藤が進むべき道は落ちている破損した部品にさえ気を付ければ直進できる状況であり、他の周囲の車がうまい具合にそこだけ間隔を空けていたものですから、その隙にさっと車を動かして無事に帰宅することに成功しております。
いよいよ本格的な冬となり、雪や凍結により今後は路面状況が悪化していくのは毎年のことであり、間違いありません。
車を運転するということはどういうことであるかを今一度よく考え、この冬も、そしてその先も安全運転に努めていきたいと考えております。
そして、当然ではありますが、目的地に到着するまでは決して油断することなく、確認を怠ることなく、運転に集中していくことが大切です。
特に帰宅時などは佐藤完全オフモードへの切り替えのタイミングを早まることのないよう十分に注意をしつつ、朝の出勤時には時間にも心にも余裕を持って通勤したいと思います。
皆様におかれましても、運転時、また歩行時も含め、十分に注意をし、集中しつつお過ごしください。
感染対策、体調管理の日々が長期的に続き大変な状況の中ではありますが、健康に、そして元気に過ごせるようにがんばりましょう。
それでは。