先日、私佐藤は当院の総務課にて用事を済ませた後、地域医療連携室に向かいました。
総務課から地域医療連携室までは、長い直線廊下をただただそのまま歩き、どこにも寄り道などはせず、立ち止まることすらなく向かったのです。
地域医療連携室と医療相談室は同室になっておりますので、佐藤が到着した時、部屋の中には連携室スタッフと共にMSW(医療ソーシャルワーカー)も数名在席しておりました。
そして、部屋の中を何歩か進んだところで立ち止まり、地域医療連携室のスタッフ達に話しかけた、その時です。
地域医療連携室の主任が、こう言いました。
「あっ…、あ、係長、佐藤係長、肩のところに、虫が…」
「へっ!?む、虫??」
佐藤は、主任が指差した佐藤の右肩付近に目を向けました。
すると、おりました…。
そう、いたのです…。
大きな、
大きな、
大変大きなカマドウマが…。
佐藤、衝撃でした。
佐藤の中の虫レーダーが、佐藤虫緊急速報に変わり、頭の中には佐藤の必殺技である「息フーフー攻撃」がすぐに浮かびましたが、マスクをしていることから無理だと一瞬で考えが切り替わり、咄嗟に、感染対策で着用していたゴーグルを使って右肩にくっついていたカマドウマを振り払ったのです。
お伝えした流れは、過不足のない実際に起きた状況と佐藤のアクションなのですが、この間は、ほんの数秒のできごととなっております。
佐藤、あまりに焦ったものですから、ゴーグルで払った際に、すぐ隣に医療相談室のMSWがいることまでは気にする余裕がありませんでした…。(本当に申し訳ないです…)
そして、床に落ちたカマドウマはその驚異的なジャンプ力で室内をピョンピョン、ピョンピョン、いえ、ビョーン!ビョーン!の方が正確かもしれませんが、とにかく飛び跳ねまくっておりまして、地域医療連携室の中にいたスタッフ達は軽いパニック状態となったのです。
これまでブログをご覧になってくださった方であれば、虫、と聞きますとカメムシこと「K」を想像された方が多くいらっしゃったかもしれません。
しかし、今回はカマドウマです。
カマドウマをご存知ないという方は、ぜひネットなどで調べてみてください。(お食事中はもちろん、その前後も避けることをおすすめいたします)
佐藤は、小さい頃にもカマドウマに遭遇したことがあり、昔からとにかく苦手にしておりました。
通称便所コオロギ(汚くて申し訳ありません…)などとも呼ばれるこの虫は、虫嫌いの佐藤からすると、とてつもなく苦手で、とにかく見たくない、会いたくない虫の上位に位置しているのです。
そんなカマドウマが、なんと、佐藤の右の肩にしがみついているのを見たその瞬間は、本当に表現するのが難しいほどの恐ろしさであり、佐藤の危機管理レベルが一気にMAXまで引き上げられました。
結果的には、床に落下して飛び跳ねているところを地域医療連携室の主任が捕獲し、自然に帰したのですが、一歩間違えば佐藤が振り払ったその時に…、という可能性も十分にありましたし、その後の部屋の中の混乱で誰かが決定的な一打を…、ということもあったのかもしれないのです。
佐藤、それほどできた人間ではなく、ありとあらゆるもの達に対しての平等で且つ深い優しさを持つことも到底できないのですが、できることならば、それがたとえ大の苦手とする虫であっても、帰せるものなら自然に戻ってほしいとの思いはあります。
しかしながら、あまりに当たり前に、佐藤が大きなアクセサリーを付けているかのように密着して存在しておりますと、正直なところ、全くもって冷静さを保てませんでした。
ゴーグルで振り払った際も、力の入れ加減などは何も考えていなかったのです。
佐藤、カマドウマ、双方にとって危機一髪であったと言えます。
それにしても、最も大きな一番の謎は、あれだけ大きなカマドウマがなぜ、どうやって佐藤の右肩にしがみついたのかということです。
先ほどお伝えした通り、佐藤は地域医療連携室に入る直前までは総務課におり、ただ真っ直ぐに廊下を歩いてきました。
よって、途中で肩に大きなアクセサリーを装着する隙などはなかったはずなのです。
また、地域医療連携室に入ってからは立ち止まってそのままではあったものの、それから大きなアクセサリー発見の一報まではほんの数秒でありますので、いくら跳躍力がとんでもないカマドウマと言えども、そして佐藤がちびっこであろうとも、床にいて、いきなり肩の位置まで到達するのは現実的に難しいと思われました。
ただ、いくつかの推測も成り立つことから、そうなりますと、考えれるのは以下の何点かになるのです。
①総務課の中で立ち話をしている間にまずは佐藤の足にくっつき、廊下を歩いている間にポジションチェンジして肩の辺りにやってきた。
②地域医療連携室の中で佐藤が立っていた場所の上、天井にはエアコンの吹き出し口があるため、その中からぽとりと落ちて佐藤の肩に着地した。
③佐藤が自席で座っていた際にすでにくっついており、背中の辺りから徐々に移動してアクセサリーとなった。
④廊下を歩いている時にすれ違ったスタッフからのプレゼントだった。
⑤廊下を歩いている最中にどこかから落下して佐藤の肩に着地した。
⑥金山サイズのカマドウマであったため、その跳躍力も常軌を逸しており、地域医療連携室に入った瞬間に、一度のジャンプで佐藤のアクセサリーとなった。
以上となります。
本音を言いましたら、どれもが微妙であり、どれもがかなりコワイです。
第一発見者の主任の証言によりますと、佐藤の背中付近からひょっこりと現れたようにも見えたとのことでしたので、現実的に考えましたら、①または③が有力かと思われます。
佐藤にとっては、たとえ数秒であっても、虫という虫との接触は避けたいのが正直な気持ちです。
それが、ご紹介したような流れにより、佐藤の右肩で存在感を放つ大きなアクセサリーとなったのだとすれば、なかなかの時間、佐藤はカマドウマと時を共にしたということになります。
今、考えても寒気がしてきます…。
部屋の中でスタッフのみんなとパニックになったその瞬間は、佐藤、かなり汗が流れてきており、その汗は、わーわー暴れたことで出てきた汗でもあり、冷や汗でもあったかもしれません…。
ところで、佐藤、先ほど虫レーダーと記しました。
これまでには、佐藤の高性能且つ直感と本能と何となくの野生の勘と鋭い(と自分では思っている)分析力による虫レーダーによって、虫という虫の気配を察知しまして、未然に様々な危機を防いできたのです。
ところが、今回ばかりは何の反応もしませんでした。
佐藤の大好きな国民的漫画に当てはめてお伝えしますと、
「スカウターには何にも反応がない…!気を、気を消しやがった…!!」
と、いう感じになります。
こんなにすぐ近くに虫がいて、しかも顔のすぐ近くで、さらに長い時間気付かないというのは、佐藤の虫レーダーが衰えたのか、カマドウマがすごいのか、どちらなのでしょうか。
その答えも、結局のところどうやってアクセサリー化したのかも謎のままですが、佐藤はこれまで以上に足下や背後などに十分過ぎる注意を向けながら過ごしている毎日です。
ちなみに、佐藤の中では何となく「カマドーマ」という表記がしっくりくるなとずっと感じていたのですが、昔の古い家では「竈」の周辺によく出現したこと、「馬」のように飛び跳ねることから、「竃馬(かまどうま)」という名前がついたとのこと。
いくつか調べている中で札幌市のホームページに行きついたのですが、このカマドウマ、衛生的な害はないとのことでしたので、その点はにつきましてはかなりほっとしております。
これからはカメムシこと「K」の本格的なシーズンになってきますので、そちらも例年同様に十分な注意が必要であり、状況に応じては皆様からの「コードK」発令をお願いしているところでありますが、今後はカマドウマについても何らかの形で注意喚起や発見情報を提供していただかなければいけないのかもしれません。
ただ、冷静に考えますと、カマドウマであってもやはり「コードK」になるのだと今、気付きました。
どちらも大の苦手ではありますが、対処方法が異なることから、カメムシの場合は「コードK」、カマドウマの場合は「コードKU」という使い分けでいきたいと思います。(K=かまど U=うま)
皆様におかれましては、知らぬ間に大きなアクセサリーが付いていたということのないよう、十分にご注意ください。
そして、佐藤の周辺で虫を発見した際には、コードKやコードKUはもちろんのこと、種類や大きさを問わず、とにかく何よりまずは「虫です!」の一声を冷静に且つ迅速に発していただけますと大変幸いです。
もちろん、その後の捕獲までしていただければ大変助かりますし、同時に佐藤を安全な場所まで誘導するという役割も担っていただけましたら心から安心いたしますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
それでは。